藤原かずはのDTM日記

DTMを中心にギターやバンドの事などを書いています。BFD3のプリセットも公開中。

Quad Cortex レビュー

はじめに

 

Neural DSP QUAD CORTEX(以下QC)を買いました。

 

 

目的は、手持ちのMarshall 1959HWを気軽に持ち出すこと。


実機は音がバカでかいので、頑張ってリハやライブに持っていったところでボリュームを上げられず、オイシイ音を出せないんですね。
なのでQCに取り込んで使い勝手良くしてしまおう、と考えたわけです。

 

で、早速取り込みました。

 

音源

スマホの方はListen in Browserをタップすると聴けます。

■実機の音

■QCの音

※再生バーが正常に表示されない場合はページを更新してください。

 

ヤバないこの再現度?(語彙力)

※演奏のばらつきによる音色の変化を避けるため、リアンプで録っています。

 

よくある1959シミュとは音が違いすぎる…

 

ちなみに上の音源はTwo Notes Torpedo ReloadのDIアウトから取り込み、キャビは同社Wall of SoundのFriedman 412 Vintを掛けてます。


経緯

 

なぜキャビ抜きで取り込んだのかというと、

リハやライブでキャビから鳴らしたいからです。

 

シミュのDIから卓に送ってモニターから返してもらうっていう方が多いと思うんですが、私それ苦手なんですよね…

 

昔POD Ver.2の時代に試してみたんですけど、会場によってモニターの音質が違いすぎて、いい音で鳴らせてるのかも分からないし、そもそも演奏してて自分の音が取りづらいことが多々ありまして。

 

その点マーシャルのキャビならどこに行っても大体同じ物があるわけです。1960Aが。

 

良かったところ

 

サイズですね。LINE6 HELIX FLOORのちょうど1/3。

その代わりワウやワーミーに使うペダルが無いですが、必要とあらば拡張出来るので個人的には問題ないです。

 

ちなみにサウンドハウスで専用っぽい物も売ってますが、KORGの昔の銀色のやつ(XVP-10)でも普通に使えました。

 

不満点

 

プリセットを切り替えると音切れがするのですが、それを解消するのがシーンモードです。

予め使うエフェクターをズラッと並べておいて、それらのon/offやパラメータを切り替える感じで、HELIXでいうSNAPSHOTですね。

 

音切れもなくいい感じ…と思っていたのですが、なぜかキャプチャーしたアンプの歪のゲインが下がります。

Gainというエフェクトで入力ゲインを3.8dBほど稼いで対応しましたが、ちょっとモヤッとしますね。音色ではなく気分が。

 

アプデで解消されて欲しい部分です。

 

解決しました。

Splitterの後段にキャプチャアンプを配置していたことが原因でした。

Splitterは作成時のデフォルト設定として、TYPEはBalanceで音量は5に設定されています。

この音量を10にすることで、後段のゲインが下がるのが防げます。


最後に


というわけで、あとはダンカンのPOWER STAGE 200が届けば、マーシャルのフルテンをリハで鳴らせる日が来ます。

 

楽しみすぎる✨

AMS NEVE 1073SPX レビュー

はじめに

 

ISA ONEを買ってからまだ一週間ちょっとしか経ってないんですが、またマイクプリ買いました。

 

AMS NEVE 1073SPX

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(置く場所よ…)

 

ニーヴ系は必要だよなと以前から思っていたのと、

ISA ONEで久々に単体プリに触れて「やっぱりアウトボード良いな」と思ったのと、

Rupert Neve Designsが値上げになって、この状況下では他メーカーもいつそうなるかわからんな…ってことで、

 

スパーンと買っちゃいました。

 

音について

 

で、ISA ONEのときと同じくまた歌を録りました。

スマホの方はListen in Browserをタップすると聴けます。

 

RME UFX+のマイクプリ

 

②ISA ONE

 

③1073SPX

 

RMEはさすがのハイファイさ。ただこうして並べると高域が硬いですね。良くも悪くもオマケしてくれないので、この中では一番歌いにくかったです。(ピッチも上ずってますね)

ISA ONEはわかりやすくローファイ。歪んだベースに合いそう。

 

で、1073SPXはと言うと…

低域が力強いんだけどブーミーさは皆無。

高域は程よく伸びているけど柔らかい。

中域もちゃんと粘る。

 

ニーヴクローンの中でも大人気のAurora Audio GTQ2と比べてどうかっていうのは分かりませんが、十分ニーヴっぽさはあると思います。

 

音以外について

 

100Vに対応しているのが個人的には嬉しい点です。

私はクリーン電源(kojo Aray)を使用しているのですが、せっかくキレイにした電気を下手な昇圧機で汚したくないなと思っていたので助かります。

 

不満点

 

EQをオンにすると目盛り0の状態でもややドンシャリになるんですよね…

まぁ何が何でもEQを掛け取りしたいというタイプではないので、プラグインで良いかと。

 

あと電源のアダプタがしっかり刺さってる手応えがなくて不安です💧

 

さいごに

 

歌より先にエレキギターで使ってみたんですが、こっちはちょっと倍音付きすぎかな…と感じてあまり好みではなかったです。

なのでボーカル用として良い仕事をしてくれてホッとしました。

 

買って大正解でした。

 

追記

 

案の定、電源アダプタで問題が起こりました。

購入から2週間ほどして、マイク入力のインプットゲインの-20~-45の間で音が出なくなりました。

 

故障かと思い購入店に問い合わせ、配送準備をしようとしたところ、軽く触れただけでアダプタがポロリと外れました。

 

「おや、これは…」と思い、アダプタを挿し直し、電源を入れてチェック。

正常に動作しました。

 

今はアダプタをしっかり挿した後、ガムテープで覆っています。

 

追記2

 

同じAMS NEVEの8801 Channel Stripも買いました。

ご興味あれば下記記事もどうぞ。

 

kazuha-fujiwara.hatenablog.com

 

今更ながら Focusrite ISA ONE レビュー

はじめに

 

Focusrite ISA ONEを買いました。

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目的は、バンド練習時のボーカルの音質を向上させること。

 

通常バンド練習のボーカルの機材って、マイマイクとスタジオ常設のミキサーなわけですが、この常設ミキサーってのが、「取り敢えず音が出ればいいでしょ?」っていうレベルのものが多くて、音質をどうこう言えるような代物ではないんですね。

 

そこでこの単体マイクプリISA ONEの出番というわけです。

 

購入にあたって一番の決め手だったのはリハスタでも使える100Vに対応していること。

昇圧機なしで使えるマイクプリの中で良さそうな物という条件で探した結果、このド定番機ISA ONEに白羽の矢を立てたというわけです。

 

音質について

 

良いです。

 

ネット上には様々なレビューがあり、中には微妙とか否定的だったりなレビューもありますが、私は良いと思います。

 

最初に音を確認したのはエレキギターだったんですが、一発で「これ無しではもう録りたくない」と思わされました。

 

とまぁ言葉だけ並べても信憑性が無いと思いますので、歌の比較音源を用意しました。

スマホの方はListen in Browserをタップすると聴けます。

 

①マイク→RME UFX+のマイクプリ→waves CLA-76

 

②マイク→ISA ONE→マイクプリなしのインプット→waves CLA-76

 

いかがでしょうか?

全然違いますよね。

 

ハイファイさで言えば圧倒的に①なんですが、音のエッジがきつい感じがします。

②はヌケの部分は残しつつ、でも輪郭はなめらかで、かつふくよかな音になってます。悪く言えばローファイなんですが、良く言えば温かみってやつかなと思います。

※発声が違う部分もあるんですが、ISA ONEを通したほうが自然とリラックスして歌えたので、こういった結果になりました。

 

ここで大事なのはISA ONEからはマイクプリなしのインプットに繋いだことです。
YouTubeやブログなんかで、良くマイクプリありのインプットに繋いでる人が居ますが、それ間違ってます。

そういう接続をしてる人は、やっぱり「微妙…」という評価をされてますね。もったいない。

 

不満点

 

電源スイッチが背面にあること。

音楽機材ってスイッチが背面にあることが多いんですが、なんででしょうね?見た目が安っぽくなるから?

ラックマウントの機材とか、絶対前面にあったほうが便利だと思うんですが…

 

さいごに

 

正直5万でこの音質が手に入るとは思ってませんでした。

「はじめに」で書いた通り目的はバンド練習で使うことなので、次の練習が楽しみです。

 

追記

 

バンド練習で使いました。

リハスタにあったのは○ッキーのミキサーだったんですが、ハウりにくさが段違いでした。

 

ハウらずに音量を上げられたので、無理に大声を出す必要もなく、いつもなら後半には喉カスッカスになってるんですが、最後まで本来の声で歌えました。

 

導入してよかった😊

 

追記2

 

速攻でAMS NEVE 1073SPXも買いました。

以下でRME UFX+、ISA ONE、1073SPXを比較していただけます。

kazuha-fujiwara.hatenablog.com

 

Origin Effects Cali76-CD レビュー

ちょっと値段の張るコンプを買いました。

 

Origin Effects Cali76-CD

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今まで故Neve氏への憧れからBogner Lyndhurstを使っていたんですが、

常々スレッショルドの効きが強すぎると感じていたため、

プラグインなんかで親しんでいる1176を強く意識したこの製品に手を出してみました。

 

で、レビューなんですが、

あーだこーだ語る前に音を聴いていただこうと言うわけでコチラ。

 

スマホの方はListen in Browserをタップすると聴けます。

 

OFF

 

On

 

いかがでしょうか。

演奏にばらつきが出ないようリアンプで録りました。

 

ストロークで強く抑え込んだ時にやや…若干…微妙に音色がくすむ感じもありますが、

原因の半分は設定の追い込み不足もありますし、ペダルコンプとしては上々なんじゃないかと。

 

少なくともミックス時に、ギタリストに黙ってコンプを重ねる必要はなさそうです笑

 

そもそも本家1176の1/5の価格ですからね。

十分優秀だと思います。

 

そういえば私が高校生の頃なんかは、

「コンプはズル!手でコンプをかけろ!」なんて根性論が主流でした。

 

おそらくコンプ=抑揚を均一にする=ニュアンスが死ぬっていう解釈だと思うんですが、

私は当時から手コンプ=抑揚をつけないように演奏する=ニュアンスなんて最初から無いと思っていたので、バリバリコンプ使ってました。

 

つっても当時はダイコン買うので精一杯でしたけど。

 

でもあのパコパコ感は今でも好きです。

ダイナミクス系というよりは飛び道具としてですが笑

 

というわけで半分はアラフォーの思い出話になりましたがいかがでしたでしょうか。

あーだこーだ語りませんでしたね。大事なのは音ですから。


各ツマミの解説なんかは他の方のブログにも書いてありますので、

そちらをご参照いただければと思います。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました。

ホセフィーナ・カンポスのピックアップレビュー

ホセフィーナ・カンポスさんのピックアップを買ってみました。

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先立ってFender CS 70th Anniversary BroadcasterをMy New Gearしまして、

こいつにはFender CS '50/'51 Blackguardというピックアップが載ってるんですが、

そのピックアップについて調べていたら、

同じモデルをホセフィーナさんが作ったものが個数限定で販売されてると知りまして、

探し回った結果灯台下暗し、フェンダーの公式ショップでラス1を購入することが出来ました。

 

さてフェンダーのピックアップマスターが作るとどう違うのか。

聴き比べてみましょう。

 

スマホの方はListen in Browserをタップすると聴けます。

 

カスタムショップ製

 

ホセフィーナさん製

 

どうでしょうか?

同じモデル同じセッティングなのに結構違うと感じました。

 

カスタムショップは太くてツヤツヤしてますね。重心も低く良い音です。

ただローミッドに若干のモヤつきを感じます。

 

一方ホセフィーナさんは太さもツヤもやや控えめで、

カスタムショップで気になったローミッドのモヤつきは解消されてるんですが、

スッキリした分相対的にやや腰高になった印象です。

 

こうして比較すると、どっちが優れているとかではなく、

好みが分かれそうだなと思いました。

 

現代的な音が好きな人はカスタムショップでしょうし、

ビンテージライクな「枯れ」が好きな人はホセフィーナさんでしょう。

 

私はせっかくビンテージ仕様のギターに載せるなら枯れを優先したいです。

 

以上、ピックアップレビューでした^^

 

【追記】

ネックはホセフィーナのまま、ブリッジをカスタムショップに戻しました。

すっきり感を保ったまま重心の低さも獲得。

この組み合わせ最高✨

DENON AH-D9200 購入レビュー

高級ヘッドホンを買いました。

 

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DENON AH-D9200

 

適度に楽しく、適度に正しく

個性派ひしめく高級ヘッドホンの中では珍しくThe 普通な周波数バランス。

※過去にゼンハイザー、パイオニア、オーテクのハイエンドを所有していました。

 

環境

クリーン電源:First Cry Aray

DAC & ヘッドホンアンプ:RME Fireface UFX+

メディアプレーヤー:Audirvana、Jriver

 

■バランス

高域は刺さるギリギリ手前まで伸び、低域は他の帯域をマスキングする寸前の量感。

なので音楽にいちばん大事な中域も良く見えます。

 

「せっかく高級ヘッドホンを買うなら、これ一台で何でも聴きたい」という方には、かなりいい選択肢なんじゃないかと。

DTM用途にも使えます。てかShureのSRH1840から乗り換えました。

今まで作った音源の、音作りの甘さが見える見える😂

 

■ハウジング

音を聞くまでは竹のハウジングってどうなんだろう?と思っていたんですが、

開放型か?と思うほどクセがないです。

もっとこう、鹿威しみたいなカッコーンって感じの響きが乗るのかと思ってました。

 

■開放感

よく言われる開放感ですが、ゼンハイザーHD800Sみたいにローを犠牲にして無理やり広げたような機種は置いといて、

イオニアやオーテクの開放型と比べても遜色ないと思います。(3つとも手放してしまったので、記憶を頼りに書いてます)

少なくとももっと下の価格帯のSRH1840(これは持ってます)よりは遥かに広いです。

 

 

とまぁ、ひとしきり褒め倒したんですが、

一つだけモヤッとするとすれば…

 

FOSTEXのTH610と音が似てるんですよね。

 

いや、違いはもちろんあります。

TH610は中高域寄りでちょっと硬いし、相対的に低域が少し物足りない。

わずかにハウジング由来のポコッとした鳴りや曇りも感じる…など。

 

D9200の方が優れていることに疑いはありません…が、

店頭価格で10万弱の差が付くほどかなー?と考えると、

正直「うーん?」って感じです。

 

D9200の音が好きなんだけど、ちょっと手が出せないな…という方には、

一度TH610を聴いてみることをオススメします。兄弟機みたいだから笑

キャビネットシミュレーター(IR)の比較レビュー

エレキギターを録音するには音響の整ったスタジオで、爆音で録るのがベストだと思います。

 

ですが、そんな環境を持っているDTMerはほとんど居ないのではないでしょうか。

 

しかし近年ではアンプからの出力をロードボックスで受け、

キャビネットシミュレーターを掛けてエレキギターらしい音を作るという選択肢が生まれました。

 

録音環境のあるプロが、本番テイクであえてその手法を取り入れているという記事を読んだこともあります。

 

そこで今回はそんなキャビネットシミュレーター(IR)の比較をしてみます。

 

比較に使用したのは以下。

ギター:Gibson Les Paul Traditional

アンプ:Marshall 1959HW

ブースター:MAD PROFESSOR SWEET HONEY OVERDRIVE Hand Wired

キャビネット

 ■Marshall 1960AV(IRではなく本物)

 ■Two Notes Torpedo Wall of Sound Brit VintC

 ■Kazrog Recabinet RC-1960_4x12

 ■OwnHammer 412 Mar-CB

 ■RedWirez 1960-V30

マイク:Shure SM57

 

それでは前フリはここまでにして、本題の比較に移りましょう。

スマホの方はListen in Browserをタップすると聴けます。

 

【Marshall 1960AV】 

※プレーヤーが表示されていない場合は、ページを更新してください。 

 

アッテネーター(Torpedo Reload)を使用して話し声くらいの小音量で録ったため、箱が鳴っていない感じがします。ハイもきつかったので、これだけEQを掛けました。

 

【Two Notes Torpedo Wall of Sound Brit VintC】

 本物と比べると少しハイミッドが強調されています。他と比べると若干部屋鳴り感が強く、80年代のHR/HMな匂いを感じます。

 

【Kazrog Recabinet RC-1960_4x12】

中域の押し出しが強く、比較に使用したIRの中で一番パンチのある音だと思います。

 

【OwnHammer 412 Mar-CB】

YouTubeのメタル系のデモ動画とかで人気のあるメーカーです。

ローミッドが強調されていて、太い音ですね。

 

【RedWirez 1960-V30】

一番ドンシャリな感じがしますが、それだけにやや薄味な印象があります。

個人的にはもう少し中域の押し出しが欲しいところ。

 

…というわけで五種類の音を聴いていただきましたが、お好みにあうIRは見つかりましたでしょうか?

 

ミックスの段階ではそれぞれの違いが分かりやすかったのですが、2mixにしてマスタリングしたら案外微々たる差になったなと感じています。

 

まぁその微々たる差にこだわるのがギタリストでもあるんですが…笑

 

これからIRを使ってみたい方や、今使っているIRから乗り換えを考えている方の、ご購入の参考になれば幸いです。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

【追記】

最後に載せたRedWirezはキャビの種類によってクオリティにムラがあり、マーシャルのキャビはあまり良い印象がないのですが、メサブギーのキャビなんかはとてもいい出来で愛用しています。