IRとQUAD CORTEX Neural Capture V2の違い
QUAD CORTEXのNeural CaptureがV2になってから、色々キャプチャして楽しんでおります。
そんな中でスピーカーキャビネットもキャプチャしてみたのですが、
「あれ?これ弾き心地がIRと雲泥の差じゃね?」と思ったのでレビューしてみます。
使用機材:
パワーアンプ…BOSS WAZA TAE
マイク…Audio Technica AT4050
マイクプリ…RME Fireface UFX+(IR用)、QUAD CORTEX(キャプチャ用)
アクセサリ…sE Electronics Reflextion Filter Pro
※WAZA TAEはエフェクトループのリターンからライン入力が出来、
パワーアンプも良い意味で海外製のような個性が無いので、IR作りに重宝しています。
マイクやリフレクションフィルターの位置は全く動かしていないので、
録音条件は限りなく近いと思います。
また、演奏にはQUAD CORTEXのルーパーを使用しています。
さてまずMarshall 1959HWのドライブサウンドです。
これはあまり違いがありません。
音色は多少違うのですが、QUAD CORTEXとUFX+のマイクプリの違いだと思います。
次にクランチサウンドです。
ここらへんから違いを感じるようになります。
強く弾いているところは同じですが、
弱く弾いているところに違いを感じます。
次にクリーンサウンドです。
はい、違いますね。
…って、YouTubeの音質でどこまで再現出来ているか分かりませんが。
IRは強く弾こうが弱く弾こうが一定の音色ですが、
キャプチャは弱く弾くとキャビが鳴っていない音色がします。
という感じでIRとキャプチャの違いは演奏の再現性というか、
弾いた時のレスポンスがより生っぽいのがキャプチャだと私は感じたのですが、
安易に優劣をつけることは出来ないかなとも思いました。
というのもIRは圧倒的に汎用性が高いからです。
今どきのマルチエフェクターには大体IRローダーが入ってますよね。
一方キャプチャはQUAD CORTEXでしか使えません。しかも重い。CPUを11%も使います。
なのでゴリゴリに歪ませるメタラーさんには、IRの方が圧倒的に向いていると思います。プロセッサ派多いですしね。
それにクランチやクリーンがメインのギタリストは圧倒的に実機派が多いように思うので、実機っぽさを訴求しても「いやいつも実機だし」って返されそうな気がします。
なので最終的にはどっちが好みか、どっちが使いやすいかで選べば良いんじゃないかなというのが私の結論です。
なお今回録ったIRとキャプチャを下記にアップしますので、
興味をお持ちであればご自由にお使いください。
キャプチャ:
https://cloud.neuraldsp.com/cloud/discover/neural-capture/view/ea754709-1391-4104-9863-75261de9f536
【チャンネルストリップ】SSL REVIVAL 4000 レビュー
Solid State Logicのチャンネルストリップ:REVIVAL 4000を購入しました。

チャンネルストリップはAMS Neveの1073SPXと8801を所有しており、
SSLやAPIもいつか欲しいなーなんて思っていのですが、
あの4000卓の音を再現したチャンストが出た!と知って飛びつきました。
いや本当は「一年以内には買おう」程度の購買意欲だったのですが、
なんだか円の動向に不穏な気配を感じたので、今買っちゃいました。
1073SPXの時もそんな買い方だった気が…
■満足な点
音質はまあ良くて当然として、
他を挙げるとすればフロントに電源スイッチがある事と、100V対応だということです。
下に8801やDiscrete 4 pro内蔵マイクプリとの比較動画を載せますが、
ちょっとずつ音色が違うのがおわかりいただけると思います。
(1073は入院中なのでお休みです)
※QUAD CORTEXのルーパー機能を使って全く同じ演奏を録音し、音量レベルは全て最高値が-10になるよう揃えてあります。
※※接続は上から
・QUAD CORTEX→Discrete 4 proマイクプリ
・QUAD CORTEX→REVIVAL 4000→RME ADI-2/4 Pro SEライン入力
・QUAD CORTEX→8801→RME ADI-2/4 Pro SEライン入力
です。
先に白状しますと、今回の記事は「やっぱりIF付属のマイクプリとは違うねえニヤニヤ」ていう記事を書きたかったんですよ。
…Discrete 4 proマイクプリの健闘ぶりに困ってます。
他2つと比べると解像度が低く(映像効果で言うブラーが掛かったようなボヤけた感じ)、高域も少し落ちていますが、価格を考えれば十分過ぎるクオリティだと思います。もっと圧倒的な差をつけて負けて欲しかった笑
(解像度はオーディオIFのADの差かも知れません)
REVIVAL 4000と8801は重心の位置が違いますね。4000は真ん中くらいでオールマイティに使えそう。8801はやや低くドッシリとしてベースやキックに良さそうだなと感じました。
倍の価格の8801にも決して劣っておらず、音の個性で使い分けができるクオリティです。
決して安価ではありませんが、コスパは高いと思います。
■不満な点
ASSEMBLED IN CHINAなとこですね。

これメーカーHPの商品写真には載ってないんですよ。

高コスパの理由はそこかと。
近年の中国製精密機器の品質向上は理解しているつもりですが、
堂々と公表しない事に少しモヤッとしました。
という事で、お久しぶりの更新はSSL REVIVAL 4000のレビューでした。
発売されたばかり(2025/10/11現在)で情報も少ないので、
購入を検討されている方の参考になれば幸いです。
■追記(20251023)
REVIVAL 4000で歌を録ってYouTubeにアップしました。
クリーンと歪みの2つを下に載せます。
コンプは両方FST ATKで10-14程度のリダクションです。。
マイクはAT5040を使用しました。
クリーン
歪み(サビで良い具合に歪むように設定しました)
【モニターヘッドホン】Neumann NDH20 Black Edition レビュー
昨年8月にNeumann NDH30の購入レビューを書きまして、
kazuha-fujiwara.hatenablog.com
その後ヘッドホンのメイン機として使っていたのですが、開放型ゆえの弱点もあったので、密閉型も欲しいなと思いNDH20 Black Editionを買いました。

さてそのメインヘッドホンNDH30の弱点は、私にとっては2点あります。
1.コンプのかかり具合が見づらい。
2.楽器の音作りに使えない。
1.は開放型の構造上仕方がないと思うのですが、音の圧迫感がないのです。先に圧迫感と書きましたが、音響用語としてに間違った表現であることを承知の上で、分かりやすくオーディオ界隈の言葉で言い換えるならば音圧です。
密閉型ヘッドホンはもちろんスピーカーと比べても音圧が弱い。
本来バン!と迫力のある音で出てくるはずの音も、スコンと抜けてしまうのです。
2.も構造上捨てるしかない部分で、遮音性が皆無なためギターやベースの生音がそのまま聴こえるので、アンプやプロセッサーの音と混ざってしまって、録音物を聴くと、「こんな音を作ったつもりじゃないのに…」となります。
そこで密閉型を買おうと思ったわけですが、あまりNDH30と乖離した音色の物を買っても使わないだろうし、近いコンセプトで造られたものが良いだろうな…と思ったので購入に至りました。
さて購入にあたって事前にSonarworks SOUND IDで周波数特性を確認したところ…

…すげードンシャリじゃん💧
ここで大きく迷いましたが、結局は物欲に追されて購入しました。
で、ようやくここからNDH20 Black Editionのレビューなのですが、
まずこのヘッドホンは必ず慣らし運転(エージング)をしましょう。
私はEDMやそれ系の歌ものをずっと鳴らしっぱなしにしていたのですが、
・箱開けの状態…ハイがきつすぎる。
・2~3日目…ハイは収まったがローミッドが目立ちポコポコ言ってる。位相もなんかおかしい。
・4日目…ようやくローミッドが落ち着くも位相はやはりおかしい。
・5日目…諸問題が落ち着きを見せる。
といった感じで変化していきました。
NDH30と同等の音かと問われればNOですが、モニターヘッドホンとしては十分アリな音色だと思います。
心配していたほどのドンシャリ具合でもなく、一番気にしていたローもSOUND IDのプリセットほどは出ていないと思います。
※実際SOUND IDを掛けてみたらローがスカスカになりすぎて、こりゃ使えんと思いました。
期待していた遮音性も良く、適切な音量でギターやベースの音作りが出来、それで録音した音をスピーカーで聞いても補正のEQは必要ありません。
単純にヘッドホンとして、NDH30とNDH20 Black Editionでどちらを人に勧めるかと問われれば圧倒的にNDH30ですが、密閉型のモニターヘッドホンじゃないとダメな場面も多々ありますので、そういう場合はNDH20 Black Editionも十分に良いのではないかと思います。
なおタイトルや文中でも単にNDH20ではなく、しつこいくらいにBlack Editionと後ろに付けていますが、それには理由がありまして、ノーマル(シルバー)とは付属ケーブルが違うのです。
ケーブルが変われば音色は変わります。なのでノーマルの購入を検討されている方には参考にならないので悪しからず…
エレキギターの音色はピックアップだけで決まるのか?
はい。結論から申し上げると決まりません。
電子系をかじった方なんかがよくこういうデカい主語でPVを稼いでますが、
ピックアップは一つの要素であり、同じピックアップを載せればそりゃキャラは似ますが全く同じ音にはなりません。
そんな事言うなら証拠を出せと。ごもっとも。
では音を聴いていただきましょう。
今回使用するPUはこちら。

Seymour Duncan Custom Shop '63 Cradle Rock Strat Set
どちらもセイモア・ダンカン氏の右腕と呼ばれるマリセラ・ファレス氏によって、同じ日に巻かれたものです。
ギターは下記二本です。
■Tsubasa Guitar Workshop THE LUCY Ash/Rose
■Fender CS 1960 Stratocaster Alder/Rose
木材以外の部品・電装類は可能な限り寄せています。
弦高は流石に調整のプロではないので0.05mmくらいの差異はあるかと思いますが、まあ本体の鳴りは関係ないと言うのなら気にすることはないでしょう。
で、比較音源がこちら。
生音、クリーン、クランチ、リードの順で弾いています。
※エレキギターは出音勝負の楽器なので、生音は参考資料程度にお聴きください。
違いますね。
生音の違いに比べると、出音の違いはごく僅かだなと感じたのが正直なところではありますが。
先に書いた通りキャラは似てるんですが、音の重心に決定的な違いがあります。
具体的にはTSUBASA(ASH)は中域がFender(Alder)ほどは前に出てこず、重心が低いです。
ギターをやってない方や始めて間もない方には全く同じに聞こえても不思議はありません。それくらい近いです。
でもこの僅かな差が演奏者にとってはデカいんですよね。
さて、アナタは聴き分けられますか?
【モニターヘッドホン】NEUMANN NDH30 レビュー
追記:NDH20 Black Editionの記事も書きました。
kazuha-fujiwara.hatenablog.com
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ヘッドホンを買いました。
NUEMANN NDH30です。

ヘッドホンはメインにDENON AH-D9200、サブにTAGO STUDIO T3-01をモニター用として使用しているのですが、
D9200は音場が広く解像度は高いが明るすぎる、T3-01はバランスケーブル使用でセパレーションは改善したがコモり気味で音の輪郭が甘いなど、それ一台で完結できる音ではありませんでした。
またどちらも中域に密閉型特有のハウジング素材のクセを感じていました。
どの要素も本当に「わずかに」なんですけどね。
そこで開放型のモニターヘッドホンも欲しいなあと思っていたところ、
NDH30のセール情報を聞きつけ購入した次第です。
なお開放型は他にSHURE SRH-1840、AUDIO-TECHNICA ATH-R70xを持っていますが、どちらも音の立ち上がりに満足できず、モニター用としては使っていません。
で、購入にあたってまず参考にしたのがSonarworks SoundIDのプロファイルです。

こういう特性で開放型ならこんな感じの音だろうなと。
お店で確認できれば一番良かったんですが、雑音の中で開放型ヘッドホンを評価できるとも思えなかったので、エイヤッとポチりました。
それで聴いてみた感想ですが、箱から出してすぐの状態ではだいたい予想通りだったものの、高域が強めに出ていました。8~10kHz辺りの。
中域は完全にフラットかと言うと、ほのかにドンシャリを感じました。
マイクのU87Aiなんかにも感じるNEUMANN独特の高級感のある上品な微ドンシャリ。
総じてモニターヘッドホンというにはやや華やかな印象で、正直「ああ、これは汚さないうちに売ろう」と思ったくらいです。
ですが少し慣らし運転をしてから評価し直してみてもいいかなと思い、半日ほどヘッドホンハンガーに引っ掛けたまま鳴らしっぱなしにしてみたところ、いい感じに高域が落ち着いて上図の特性に納得できる音になりました。
音場・解像度ともに良好、音の立ち上がりがビシッとしていて、明るすぎずコモらず、微ドンシャリは変わらずですが、その代わりハウジング素材のクセもない。
メーカーのアピール通り、DSP補正されたモニタースピーカー(KH80 DSPではありませんが)との親和性も高いです。
弱点を上げるとすればスーパーローが聴こえないところ(上図でも60Hzでスパッと切れてますね)ですが、そこはD9200で補えばいいかなと。
というわけで倍近くの価格のD9200からメインヘッドホンの座を奪い取ったNEUMANN NDH30。
今後の活躍に期待です。
ハンダにエージングはあるか?【聴き比べ】
本当はあまりすすんで使いたい言葉ではないんですよね。
よくオーディオ界隈なんかで「ケーブルがエージングで化けた!」「サ行が刺さらなくなった!」とか言うじゃないですか。
あれ殆どは耳の慣れだと思ってます。
ただ今回はっきりと「これはエージングの効果と言えるんじゃないか?」と思ったのがハンダです。
もちろん最初は耳の慣れを疑ったんですが、どうも思い込みの範疇を超えている気がするなと。
というわけで、もう一度ハンダを付け直して録音してみました。
つけたてと三日目を用意しましたので、比較してみてください。
※スマホの方はListen in Browserをタップすると聴けます。
どうでしょう?初日は明らかにギラギラして耳に痛いくらいですが、三日目は幾分マイルドになっています。
聴いて違いがわかるくらいなので、弾くともっと感じます。
弦は一ヶ月以上張りっぱなしのエリクサーなので、劣化による音の変化は今更ほぼないと思います。
今回使ったハンダはビンテージのケスター44で、他のハンダでも同じことが起こるかはわかりませんが、
確か現行のケスター44でもハイのギラつきが収まっていくのを感じたことはあります。
というわけで、ハンダにエージングはありました。
他のハンダを使っていて、付けたての音を聴いて「失敗したかな?」と思っている方も、2~3日弾き込めば音が変わってくるかもしれません。
自分でハンダ付けちゃう派の方々の参考になれば幸いです。
AKG C12VRとAudio-Technica AT5040とAT4050の比較レビュー
またマイクを買いました。
AKG C12VR。

高級すぎて憧れてすらいなかったハイエンドマイクです。
正直ポチった時も代金を振り込んだ時も届いて開封した時も、現実感がなさすぎて全くの平常心でした。
人って、夢にも思ってなかったことが叶うと逆にテンション上がらないのね。
で、早速歌を録ってみたんですが、せっかくなので今までのメイン機であるAudio-Technica AT5040と比較してみました。
追記:AT4050も追加しました。
市場価格で約4倍の差があるマイクの比較です。
※スマホの方はListen in Browserをタップすると聴けます。
追記:AT4050も奮闘してますね。ちょっと重心が高めですが。良く言えば一番ローがスッキリしてるので、声がこもりがちなボーカルとは相性良いかも。コスパを求めるならこの3つの中で最強です。