エレキギターを録音するには音響の整ったスタジオで、爆音で録るのがベストだと思います。
ですが、そんな環境を持っているDTMerはほとんど居ないのではないでしょうか。
しかし近年ではアンプからの出力をロードボックスで受け、
キャビネットシミュレーターを掛けてエレキギターらしい音を作るという選択肢が生まれました。
録音環境のあるプロが、本番テイクであえてその手法を取り入れているという記事を読んだこともあります。
そこで今回はそんなキャビネットシミュレーター(IR)の比較をしてみます。
比較に使用したのは以下。
ギター:Gibson Les Paul Traditional
アンプ:Marshall 1959HW
ブースター:MAD PROFESSOR SWEET HONEY OVERDRIVE Hand Wired
キャビネット:
■Marshall 1960AV(IRではなく本物)
■Two Notes Torpedo Wall of Sound Brit VintC
■Kazrog Recabinet RC-1960_4x12
■OwnHammer 412 Mar-CB
■RedWirez 1960-V30
マイク:Shure SM57
それでは前フリはここまでにして、本題の比較に移りましょう。
※スマホの方はListen in Browserをタップすると聴けます。
【Marshall 1960AV】
※プレーヤーが表示されていない場合は、ページを更新してください。
アッテネーター(Torpedo Reload)を使用して話し声くらいの小音量で録ったため、箱が鳴っていない感じがします。ハイもきつかったので、これだけEQを掛けました。
【Two Notes Torpedo Wall of Sound Brit VintC】
本物と比べると少しハイミッドが強調されています。他と比べると若干部屋鳴り感が強く、80年代のHR/HMな匂いを感じます。
【Kazrog Recabinet RC-1960_4x12】
中域の押し出しが強く、比較に使用したIRの中で一番パンチのある音だと思います。
【OwnHammer 412 Mar-CB】
YouTubeのメタル系のデモ動画とかで人気のあるメーカーです。
ローミッドが強調されていて、太い音ですね。
【RedWirez 1960-V30】
一番ドンシャリな感じがしますが、それだけにやや薄味な印象があります。
個人的にはもう少し中域の押し出しが欲しいところ。
…というわけで五種類の音を聴いていただきましたが、お好みにあうIRは見つかりましたでしょうか?
ミックスの段階ではそれぞれの違いが分かりやすかったのですが、2mixにしてマスタリングしたら案外微々たる差になったなと感じています。
まぁその微々たる差にこだわるのがギタリストでもあるんですが…笑
これからIRを使ってみたい方や、今使っているIRから乗り換えを考えている方の、ご購入の参考になれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
【追記】
最後に載せたRedWirezはキャビの種類によってクオリティにムラがあり、マーシャルのキャビはあまり良い印象がないのですが、メサブギーのキャビなんかはとてもいい出来で愛用しています。